第99話 結衣が幻月の一点物を三つ贈る。凛がまったく同じ品を差し出す

そのネックレスは、龍介が早くから凛の好みに合わせて特注し、今日こそ手渡すつもりでいた、あの品だった。

それが今、結衣の首元に掛かっている。

玄関の扉が後ろで閉まる。龍介は車のキーをポケットにしまい、視線を結衣の首元に留めたまま、足を止めた。

「結衣」

先を歩こうとしていた妹を呼び止める。声に抑揚はないのに、廊下の空気が一瞬、止まった。

「それ、どこから持ってきた」

結衣は一瞬、動きを止めたが、すぐにいつもの柔らかな笑みを取り戻し、指先で項の飾りに軽く触れた。

「お兄様のお部屋を片付けていたとき、机の上に置いてあるのを見つけたんです。このデザイン、前に何度も素敵だって...

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