第11章

西園寺千枝は訝しげにスマホを耳から離し、画面をちらりと確認した。

着信は――黒瀬冬真。間違いない。

……おめでとう、だって?

黒瀬冬真が、彼女が復活戦で1位を取ったことを知っている?

千枝はもう一度スマホを耳に当て、目を丸くする。

「え、試合の配信……見てたの?」

『……うん』

「へえ……意外。冬真ってダンスの大会に興味あるんだ。わざわざ生配信まで見るなんて」

『……』

千枝は潤んだ瞳をぱちりと瞬かせた。

「子どもの頃は、ダンスとか全然興味なかったじゃん。やっぱりさ、大人になると趣味って変わるんだね」

電話の向こうが、しばらく沈黙した。

やがて、歯の隙間から絞り出すみ...

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