第113章

西園寺千枝は、堪えきれずにもう一度ちらりと画面を盗み見て――自分の見間違いじゃないと確信した。

黒瀬冬真は、彼女のLINEをピン留めしていた。連絡先のいちばん上。

衝撃なのは、千枝が唯一のピン留めだということ。

さらに衝撃なのは、黒瀬冬真が彼女につけた表示名が妙に変わっていることだった――

「61」

意味の分からない、唐突な数字ふたつ。

いったい何の暗号だ。

西園寺千枝は少し考え込む。自分の誕生日だって6月1日じゃない。

……やっぱり変だ。

首をひねっていると、男が人さし指を曲げ、彼女の額を軽く弾いた。

「何ぼーっとしてんだ」

千枝は我に返り、額をさすりながら、ひとまず...

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