第119章

記者のひとりが訝しげに問いかけた。

「菅野徹さん。あなたと西園寺千枝さんが親しいのは存じていますが、今日はデザイン交流会ですよね。デザイン業界の催しに、どうして西園寺千枝さんを同伴されたんですか?」

菅野徹はスーツ姿のまま、片手で襟元を整える。澄んだ声がよく通った。

「彼女は、少しデザインが分かるんです。だから一緒に来ました」

――え?

西園寺千枝も、デザインができる?

記者たちは目を丸くし、我に返ると一斉に食い下がった。

「西園寺千枝さん、服飾デザインも? 作品はあるんですか? 実力はどの程度で?」

西園寺千枝は表情を崩さない。

「それなりに」

その返答に、記者たちは内...

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