第120章

競技が正式に始まった。

ルールはこうだ。出場するデザイナーは一人ずつ、「星」をモチーフにして、1時間以内に衣装デザイン画を描き上げる。

指定された要素に加えて制限時間まである。難易度はかなり高いと言っていい。

主催側は、色も材質感も表現できるように、さまざまな種類のペンを用意していた。デザイナーが頭の中のイメージを、できるだけそのまま紙に落とし込めるように――。

開始の合図が出るや否や、西園寺直哉はステージ上の西園寺紗良を食い入るように見つめた。紗良はまず、じっと考え込むように視線を泳がせ、それから俯いて、真剣な面持ちでペンを走らせ始める。

直哉の胸を塞いでいた不安が、すっとほどけ...

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