第140章

西園寺直哉は西園寺紗良をちらりと見た。彼女は相変わらず、折れない意志を顔に貼りつけたまま。――それが、直哉の背中を押す。

「菅野彻、口先だけで騒ぐな。証拠があるなら、みんなに見せてみろ!」

菅野彻の蒼い瞳は、氷を張ったみたいに冷え切っていた。西園寺直哉を見る目つきは、まるで滑稽なものでも眺めるようで。

二秒ほどの間を置いて、菅野彻は淡々と切り出す。

「知ってる人も多いだろう。枝は服をデザインする時、ある癖がある。作品のどこかに、自分の『枝』の印を残すんだ」

その瞬間、周囲のデザイナーたちが一斉に頷いた。

「そうそう。枝は私も憧れの存在で、作品を研究したことがある。確かに、必ず独特...

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