第147章

雪見裕也は口元をつり上げて笑った。

「1か月も車椅子に乗ってたら慣れちゃってさ。乗ってないと、なんか落ち着かないんだよね」

西園寺千枝「……」

――急に、この人あんまり信用できない気がしてきた。

そのとき、執事然とした男が、屈強な黒服のボディガードを数人連れて近づいてきた。

執事は雪見裕也の傍らで足を止め、声を落として挨拶する。

「裕也様」

雪見裕也は小さく頷いた。

千枝の視線が黒服たちをなぞる。揃いの制服、その胸には雪見家の家紋が入っていた。

雪見裕也は千枝を見つめたまま、これまでにないほど緊張しているのが自分でも分かった。胸の奥がざわつき、恐る恐る尋ねる。

「……千枝...

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