第156章

西園寺宗一郎がこのチャリティー晩餐会に顔を出したのは、黒瀬冬真と会う機会を掴みたいから――それだけではなかった。

ほどなくして、壇上の司会者が告げる。

「続いてのオークションは、西園寺紗良さんご用意の名画です! 西園寺紗良さんはご病気のため本日の会場にはお越しになれませんが、こちらの作品はたいへん趣がございます。開始価格は同じく10万円から!」

――西園寺紗良。

その名が出た瞬間、広い会場がすっと静まり返った。

次いで、堰を切ったようにざわめきが爆発する。

「は? 西園寺紗良みたいなクズがまだツラ出せんのかよ。さっさと芸能界から消えろ!」

「だよな! 誰があいつの物なんか競るん...

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