第157章

天谷卓宏ですら、もう撮れなかった。ましてやホールにいる他の連中が、カメラを向けられるはずもない。

西園寺宗一郎はついに堪えきれなくなる。このままでは、紗良の顔に泥を塗るも同然だ。紗良の立場が、どこにもなくなる。

怒りに燃えたまま、宗一郎は札を掲げた。

「100万!」

本当は「1000万」とでも叫んで、紗良の面目を保ってやりたかった。だが今の西園寺家は資金繰りが苦しい。削れるところは削らないといけない。

全身をきっちり包んだ西園寺紗良は、宗一郎が札を上げたのを見て、たとえたったの100万でも胸を撫で下ろした。これで、場が完全に凍りつくことは避けられる――そう思った。

しかし、次の瞬...

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