第158章

ありふれたブレスレットが4,000万まで吊り上がるなんて、すでに予想外だった。

西園寺千枝という名前、その知名度が価値を押し上げているにすぎない――はずだった。

だが勢いは止まらない。橘薫が4,000万を告げた直後、左後方の若い男性が札を上げる。

「4,200万!」

間髪入れず、宝石をこれでもかと身につけた女性が声を張った。

「4,300万!」

若い男性も引かない。

「4,500万!」

司会者は、彼が何度も競り上げているのを見て、冗談めかして笑う。

「中村さん、よほどこのネックレス――じゃなくて、ブレスレットがお気に入りのようですね」

中村は照れくさそうに笑って、頬を赤く...

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