第159章

西園寺千枝は、文字どおり固まっていた。

会場の客席もまた、驚きに口をあんぐり開けたまま。まるで、何の前触れもなく天から雷が落ちてきたみたいに――。

黒瀬冬真が言ったのだ。

自分は……西園寺千枝が好きだ、と。

CEだとか「枝」という肩書きだとか、そんな理由でブレスレットを落札したんじゃない。

西園寺千枝本人が好きだからだ、と。

な、な、なにそれ……。

一瞬で、広い会場から音が消えた。誰もが舞台の上を呆然と見つめ、息をするのも忘れている。

全員、目が点だった。

千枝はようやく我に返り、潤んだ黒い瞳を見開いたまま黒瀬を睨みつけた。

こんな大勢の前で、何を言ってるのよ。

彼は、...

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