第167章

西園寺千枝は耳たぶまで真っ赤に染め、ぷくっと頬をふくらませて彼を睨みつけた。澄んだ瞳には、きらりと水気が揺れている。

もちろん、初めて見たわけじゃない。

二人で同じ部屋、同じベッドで眠るようになってから、見ないほうが不自然なくらいだ。

でも、それをあんなに堂々と言われたら……やっぱり恥ずかしい。

しかも今はスマホ越し。殴ろうにも殴れない。手が届かないって、こんなにも腹が立つなんて。

西園寺千枝はスマホをスタンドから外し、むっとしたまま言い放つ。

「切る!」

黒瀬冬真が眉を上げる。

「忙しくなった?」

「違う。あんたの顔、見たくなくなっただけ。ほかの人と遊ぶ」

男の目がすっ...

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