第170章

だが、一条瑾人が焦ったところでどうにもならない。ルールはルール。守るしかない。

西園寺千枝はスマホを取り出しながら、必死に記憶をたどった。最近、誰に電話した? 通話履歴のいちばん上は――。

千枝がスマホを出したのを見て、一条瑾人はじっとしていられなくなった。そわそわしながら駆け寄り、画面をのぞき込む。

(頼む……千枝の一番目、変な男じゃありませんように……! あの追っかけ連中とか、絶対やめてくれ!)

西園寺千枝は瑾人が近づいてきても避けず、そのまま通話履歴を開いた。

「……え?」

一番上は――黒瀬冬真?

西園寺千枝自身がいちばん驚いた。

あ、そうだ。さっきホテルに戻る途中、黒...

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