第174章

西園寺隼人は今回のレースで最も優勝に近いと目されていたドライバーだった。ところが本番では精彩を欠き、結果は5位。会場の視線は否応なく彼に集まり、「いったい何があったんだ」と皆が探るように見守っていた。

そんな中、西園寺隼人が観客席へ降りて西園寺千枝を探しに来たものだから、周囲の観客は一斉に首を伸ばし、こちらの様子をうかがった。

そして――

「嵐は死んでない」

その一言が耳に入った瞬間、場内の空気が爆発した。

「嵐が死んでない? 本当かよ! 嘘だろ!」

「今の、あの髪の長い女の子が言ったんだ! 嵐は生きてるって! 隼人が聞き返してた!」

「いやいや、なんで女の子がそんなこと知って...

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