第180章

雪見裕也は先に西園寺千枝へ電話を入れ、忙しくないと確認してから、雪見寒を連れて向かった。

ノックして部屋に入る。

西園寺千枝は、どこか近寄りがたい雰囲気を纏う雪見寒を一瞥し、すぐに視線を雪見裕也へ戻した。

「こんな時間に、どうしたの?」

付き合いの長さでいえば、やはり雪見裕也のほうが話しやすい。言葉も自然に出る。

その様子に、雪見寒は眉間をほんのわずかに寄せた。

――俺が冷たすぎて、警戒させたか。

もっと早く来て、きちんと顔を合わせておくべきだった。

これでは、雪見裕也に先を越されたも同然だ。

雪見裕也は内心ほっとする。ここ最近で、千枝とはようやく少し距離が縮まった気がして...

ログインして続きを読む