第20章

周囲のざわめきは途切れず、なかにはあからさまに西園寺家のほうへ視線を投げてくる者までいた。

「やっべぇ……西園寺家、紗良のためにあのネックレス買おうとして、歯ぁ食いしばっても7,000万までしか出せなかったのにさ。2階のあの男、口開いた瞬間10億だぞ? まばたきひとつせずに! しかも西園寺千枝に“贈り物”だってよ!」

「比べたら、西園寺家ってやっぱ弱いな」

「さっきまで『千枝より紗良のほうが運がいい、偽のお嬢さまでも』とか言ってたのに、次の瞬間これだもん。謎の大物が千枝にプレゼントって……いや、すご」

「10億使ってくれる人がいるなら、私、嬉しすぎて気絶するわ」女の客が2階の個室の方...

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