第200章

クストン創立六十周年記念パーティー会場。

宴会場は絢爛豪華に飾り立てられ、ざわめきと笑い声が渦を巻いていた。

西園寺千枝は白のショートジャケットに身を包み、ローレンスと並んでホールへ足を踏み入れる。

数歩も進まないうちに、銀黒のシャツをさらりと着こなした、目を奪うほど端正な男が視界に入った。雪見裕也だ。

「千枝」

雪見裕也は手にしていた赤ワインのグラスを傍らの給仕に預け、口元に笑みを含ませたまま近づいてくる。

「裕也さんも来てたの?」西園寺千枝の瞳の奥に、思わず喜色が滲んだ。

けれど口にした直後、すぐに思い当たる。裴氏財閥は、世界屈指のレーシングブランドであるクストンと協業した...

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