第206章

西園寺千枝は思った。DNA鑑定なんて、さっさと済ませたほうがいい。いつまでも胸の奥に引っかけておくのは、性に合わない。

雪見裕也が口元をゆるめて笑う。西園寺千枝の、こういう歯切れのよさが好きだった。

けれど裕也は言った。

「明日にしよう。兄貴が明日、父さんと母さんの血液サンプルを持ってくるんだ。明日じゃだめ?」

「いいよ。1日延びるくらいどうってことないけど……両親のサンプルを両方? 持ってくるの?」

千枝は首をかしげた。

父親か母親、どちらか片方で十分じゃないのか。

どうして二人分も。

裕也は額に手をやり、どこか言いにくそうに視線を泳がせた。

「……君のことを知ってからさ...

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