第213章

「会社で急に用ができてさ。兄貴、会社に行ったんだ!」

一条瑾人はぴょん、と西園寺千枝の前へ跳ねるように回り込み、好奇心たっぷりに覗き込んだ。

「千枝、今日の午後、結局なにしてたの?」

「病院に行ってたの」

DNA鑑定はもう済んでいる。西園寺千枝は、今さら隠す気にもならなかった。

そう言いながらソファに腰を下ろし、果物皿に切ってあったスイカをフォークで刺して、ひと口。

「は? 病院?」

一条瑾人の顔色がさっと変わる。

「なんで病院なんか! え、具合悪いの? どこが? すぐ兄貴に――!」

そう言ってスマホを取り出し、今にも黒瀬冬真へ電話をかけそうな勢いだった。

西園寺千枝は慌...

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