第218章

西園寺千枝は、思わず目を見開いた。

自分から、キスしろって?

「……しない」頬を赤くして、ぷいっと顔を背ける。

「本当に?」男は眉をわずかに上げ、白く長い指で、彼女の腰の柔らかいところをわざとくすぐった。

そこは千枝の急所だった。びくっと腰をよじって逃げる。

「ごめん、ごめん! そこ触らないで! ほんと無理!」

――まあ、さっき彼をドアの外に閉め出したのは、確かにやりすぎだった。

胸の奥がちくりと震える。千枝は唇をぺろりと舐め、息をひとつ吸い込むと、そっと身を寄せて男の頬にちゅっと口づけた。すぐさま距離を取る。

「はい、した!」

男の目が一瞬で暗く沈んだ。視線を落とし、喉の...

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