第219章

西園寺千枝が口を開くより早く、一条瑾人が断言する。

「やっぱり千枝だ! 昨日、絵は描けるのかって聞いたら『少しだけ』って言っただろ? その『少しだけ』が普通じゃないって、その時点で思ったんだよ! 千枝、村手弘美って――お前だろ? な?」

少しだけ、どころじゃない。

どう見ても達人だ。

西園寺千枝は隠すでもなく、あっさり頷いた。

「うん。私」

一条瑾人の目がきらきらと輝く。

「やば……千枝、すごすぎるだろ! 俺みたいに水墨画とか全然わかんない人間でも、村手弘美の名前は聞いたことある! あの画力だから、みんな『年配の大御所』だと思ってたのに……まさかこんな若いなんて!」

瑾人は興...

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