第220章

西園寺千枝が控室に足を踏み入れた瞬間、西園寺修司はすぐに気づいた。静かな視線が千枝へ向けられる。唇がわずかに動き――けれど、そのまま言葉は飲み込まれた。結局、何も言わない。

修司の視線に気づいた宮林千冬も、入口のほうへ目をやる。入ってきたのは西園寺千枝と西本七海だった。

宮林千冬は一瞬きょとんとし、それから上品で柔らかな笑みを咲かせる。

「千枝、七海」

西本七海は眉をひそめ、目尻に鋭さを宿したまま言い放つ。

「……俺、あんたとそんなに仲良かったっけ?」

西本七海は有名な反骨者だ。扱いづらい性格だと知っている者も多い。

こんなふうに真正面から言われれば、大抵は場が凍る。

それで...

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