第24章

西園寺千枝は怪訝そうに黒瀬冬真を見た。弟がいるなんて、聞いたことがない。

ピンクのシャツの男がやたら元気よく名乗る。

「はじめまして、義姉さん! 俺、一条瑾人! 冬真の従兄弟!」

西園寺千枝「……」

一条家――名前だけは知っている。社交界でも指折りの名門だ。まさか黒瀬家と、そんな縁があったなんて。

「義姉さん、ほらほら座って!」瑾人は初対面とは思えない距離感で、軽薄なくせに憎めない、妙にノリのいい男だった。「いや~、そりゃ兄貴が昔から義姉さんのこと口にするわけだ。マジで綺麗すぎ。芸能界の女優連中まとめて秒で勝てるって。はじめまして、よろしくお願いしまーす!」

「……こんにちは」千...

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