第27章

西園寺千枝は裸足のまま太鼓の鼓面に立ち、くるり、くるりと連続で回転すると、長い紅の水袖を再び大きく振り抜いた。

ドンッ。

また一撃、水袖が鼓を打つ。

客席から、思わずというように拍手が湧き起こった。

柔らかく、軽やかで、それでいて芯のある力強さ。力と美が、これ以上ないほど噛み合っている。

舞台上。

西園寺千枝は高難度の型を決めたかと思うと、次の瞬間、ふっと身体を宙へ放った。

空中で完璧な開脚――一直線の一文字。紅の水袖が左右へ裂けるように舞う。

ドンッ。

まさか、跳躍の最中に水袖で鼓を打った――。

その衝撃に、後方の観客の何人かは堪えきれず立ち上がった。

美しい。だが、...

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