第32章

西園寺紗良は壇上でいたたまれない思いのまま立ち尽くし、マイクを握る手に力を込めた。今にもへし折ってしまいそうなほどに。

桐生雅代は――あまりにも、彼女の顔を立てない。

自分は西園寺家のお嬢様だというのに。

それを、こんな大勢の前で公然と嘲り、皮肉り、踏みにじるなんて。

しかも、だ。

桐生雅代が「西園寺千枝の先生になる資格がない」と言い切った直後、間髪入れずに「あなたは弟子にしない。資格がない」と紗良を切り捨てた。

その落差。

西園寺千枝に劣っていると突きつけられる、その落差だけは――西園寺紗良にとって、耐え難い屈辱だった。

奥歯をぎり、と噛みしめても、顔に張りついた惨めさは隠...

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