第41章

西園寺千枝は部屋の中を何度か見回した。調度は上品で落ち着きがあり、巨大な床まで届く窓越しに、リゾートの景色が一望できる。

遠くには黛色の山並み。淡くたなびく靄が濃淡をつけ、まるで水墨画のようだった。

敷地内には水路がくねくねと走り、木々は青々と茂っている。花壇がまとまって植えられ、三日月形の人工湖まである。湖面には霞が漂い、どこまでも広がって見えた。

ただ窓辺に立って一目眺めるだけで、胸の奥がすっと軽くなる。

千枝の見立てでは、ここは山荘でも最上級の部屋だ。非の打ちどころがない。

――ひとつだけ、難点があるとすれば。

ベッドが一つしかないこと。

黒瀬冬真と、同じベッドで寝るって...

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