第42章

西園寺怜司が数歩も進まないうちに、探しに来た西園寺紗良の姿が目に入った。

「怜司兄、どうしたの?」

怜司が足を引きずるように歩いているのを見て、紗良は慌てて駆け寄る。

ここ数日、怜司が以前ほど自分に心を開いてくれない気がしていた。――この前、審査員への買収が露見した件で、自分が“尻拭い役”に押し出されたことを、まだ根に持っているのだろう。そう紗良は踏んでいた。

だからこそ信頼を取り戻すために、わざわざこのリゾート山荘へ連れてきた。友人も大勢呼んだ。

「怜司兄、どこをぶつけたの?」紗良は怜司の腕に手を添え、支える。

「平気だよ」

心配そうに覗き込む紗良を見て、怜司の胸にじんわりと...

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