第59章

最終的に、両チームの出場者が決まった。

ディレクターは大きく裁量を与える。

「西園寺千枝さんと小出春さん、どちらが先に弾いても構いません。順番はお二人で決めてください」

小出春は頭の回転が速い。すっと一歩前に出て、

「ディレクター、私から弾かせてください」

と名乗り出た。

自分の古琴の腕には、もともと絶対の自信がある。古琴の大家・藤堂宗玄に直々に仕込まれたのだ。西園寺千枝に負けるはずがない。

先に自分が弾いて観客の期待値を上げておけば、あとから弾く西園寺千枝は、どうしたって霞む。そういう算段だった。

小出春は西園寺千枝へ視線を向け、口元だけで微笑む。

「私が先に弾くね。あと...

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