第76章

平岡沙希はその言葉に眉をひそめた。

西園寺千枝が口を開くより早く、西本七海が一歩前へ出て、鼻で笑う。

「誰かと思えば。うちの負け犬、西園寺奏真じゃん。新曲、あのザマで売れてさ。よく飯なんか食いに来る気になったね?」

西園寺奏真の顔色が一瞬で悪くなる。

新曲の売上も売上額も完敗――そこは、間違いなく彼の急所だった。七海はわざと、そこを抉っている。

作曲はCEが七海に提供した。だから負けた。それだけならまだしも、西園寺千枝が七海の新曲を宣伝したことだけは、西園寺奏真には到底飲み込めなかった。

奏真は冷えた目で千枝を睨みつける。

「怜司兄さんがお前を見る目を変えたからって、好き勝手で...

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