第8章

午前10時。『一緒に踊ろう!』の準決勝が、ついに幕を開けた。

客席には500人の観客。ステージ上には4人の審査員。そして国風古典舞の世界で「殿堂入り」とまで称される存在――桐生雅代が座っていた。

桐生雅代は40代半ば。体型はよく保たれ、気配は深い谷に咲く蘭のように静かで凛としている。目尻に刻まれた細い皺でさえ、むしろ艶を添えるだけだった。

本日は審査員としての出演。審査席に背筋を正して座るその姿は、首筋の線まで美しく、ひと目で「格」が違うと分かる。

さらにこの番組は、会場収録に加えてネットでの生配信も行われていた。

国風舞が好きな視聴者たちは、開始前から配信ルームに張りついている。...

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