第93章

西園寺奏真の眼が、鋭く吊り上がった。

パァンッ。

乾いた音とともに、平手が西園寺紗良の頬を打ち抜く。

紗良は殴られた衝撃に呆けたまま、遅れて頬を押さえた。

「奏真兄……あ、あなた……どうして私を叩くの?!」

力が強すぎた。頬の奥がじんじん熱く、腫れ上がっていくのが分かる。

もともと紗良の胸の内は煮えくり返っていた。今日、奏真と番組に出たのは、奏真がCEと“再会”したあと、自分もその恩恵にあずかり、帝都でも名の知れたCEに取り入るつもりだったからだ。

なのに運命は、頭から冷水をぶちまける。

西園寺千枝が――CE。

人々に持ち上げられ、崇められる千枝を見た瞬間、紗良の嫉妬は歯止...

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