第152章

神原文清は氷のように冷ややかな表情を浮かべ、前を見据えたままアクセルを踏み込んだ。その横顔には、触れれば凍りつきそうな霜が降りている。

一方、渕上純はアルコールが回り、助手席で微睡んでいた。

十数分後、車は高級別荘地へと滑り込む。曲がりくねった道を抜け、一棟の邸宅の前で静かに停止した。

神原文清は先に車を降りると、後部座席のドアを開け、渕上純を強引に引きずり出して横抱きにした。

腕の中の彼女は、うわ言のように悪態をつく。

「どこの馬鹿よ……私の安眠を妨害するのは……」

神原文清は顔色を変えながらも、彼女を抱えたまま指紋認証で玄関を開錠し、リビングを抜けて二階へと直行する。主寝室に...

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