第155章

善意からだとしても、いきなり家などという大きな物件を渡されては、渕上純もさすがに受け止めきれない。彼女はわざとらしく咳払いをした。

「アクセサリーや小物くらいならまだしも、家なんてもらえませんよ」

「ジュエリーが欲しいなら、宝石店ごとくれてやる。毎日好きなだけ選んで付け替えればいい」

神原文清は涼しい顔で、とんでもないことを言い放った。

それを聞いた渕上純は、危うく呼吸困難に陥るところだった。これは一介の庶民が耳にしていい言葉なのだろうか。

気軽に宝石店を一軒プレゼントだなんて、心臓を止めにかかっているとしか思えない。

彼女は慌てて口を開いた。

「冗談はやめてください。話が飛躍...

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