第157章

「急ですね。前から決まっていたことなんですか?」

 小林海は視線を落とし、心ここにあらずといった様子で呟く。

 渕上純は小さく頷いた。

「数ヶ月前のことよ。まさか上手くいくとは思わなかったから……本来なら期待もしていなかったの。急に伝えることになってしまってごめんなさい。私自身、急な知らせだったから」

 小林海の胸がずきりと痛む。それでも彼は努めて明るい笑みを浮かべた。

「素晴らしいチャンスじゃないですか。応援しますよ。ただ……あまりに急で、名残惜しい気持ちはありますけどね」

 渕上純は口元を綻ばせた。

「ネットで連絡は取れるし、今後もし香理ちゃんが何かわからないことがあれば、...

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