第165章

案の定、風見紬が吹き込んだ言葉はてきめんに効果を発揮した。鈴木真子の胸中に燻っていた渕上純への憎悪が、どす黒い炎となって燃え上がったのだ。

そうだ。手塩にかけて育ててやったというのに。あんなにも優秀にしてやったのに。感謝こそすれ、私に楯突くなど言語道断だ。

「あなたの言う通りよ。あの時、渕上純が私についてこずに、あのギャンブル狂の父親についていっていたら、今頃は借金のカタにド田舎へ売り飛ばされていたはずだわ」

風見紬は口元に薄い笑みを浮かべた。

「ええ、ですからおば様。よくお考えになってください。渕上純をこれ以上、のさばらせてはいけません。居候の身分らしく、従順に栄華を享受し、おば様...

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