第181章

「後始末なら要らない。さっきの警官は、俺が責任を持って組織から消してやる」

 その瞬間、署長の顔色は土気色に変わった。だが、神原文清の意向に逆らう度胸などあるはずもない。よほど死に急ぎたいのであれば話は別だが。

「神原……もう、ここから出よう……」

 渕上純は声を潜めてそう言った。その声はあまりに弱々しく、今にも消え入りそうだった。

 今夜起きた出来事は、彼女の気力を根こそぎ奪い去っていたのだ。

 神原文清は腕の中にいる彼女を見下ろすと、一つ頷いた。

「ああ、わかった。君の言う通りにしよう」

「お二人は先に行ってください。私は弁護士ですから、事後処理のために残ります」

 そう...

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