第184章

渕上純はシャワーを浴びて着替え、旅の疲れを洗い流した。ベッドに腰を下ろして一息つくと、ふと昨日予約していたホテルと送迎サービスのことが頭をよぎる。日本円に換算すれば、決して安くない金額だ。

金に困っているわけではないが、ドブに捨てるような真似はしたくない。

彼女は以前予約していたホテルに電話をかけた。流暢な英語で事情を伝えると、相手は快く応対し、返金にも応じてくれた。

純の気分は一気に晴れやかになった。

丁重に礼を述べ、通話を終える。

さて、次はピアノの練習だ。コンクールは明日に迫っている。すでに暗譜するほど弾き込んでいるとはいえ、万全を期すためには指を動かしておきたい。

自信が...

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