第187章

口にした瞬間、渕上純は激しく後悔した。自分はいったい何を訊いているのか。まったくもって馬鹿げている。

彼女はおずおずと神原文清の表情を盗み見た。気まずさが込み上げてくる。

だが、神原文清の顔からは感情が読み取れない。今の彼がどんな心情なのか、測りかねてしまう。

「あの……さっきのは言葉の綾というか、他意はありませんので。お気になさらず……」

彼を怒らせはしないかと、渕上純はビクビクしながら呟いた。

予期に反して、神原文清はこう返してきた。

「俺がどんなタイプを好むか、お前が一番よく知っているはずだろ? ――目の前にいるじゃないか」

瞬間、渕上純の頬がカッと火照る。とっさに返す言...

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