第188章

その言葉を耳にした瞬間、渕上純の胸の奥を激しい熱流が走り抜けた。

神原文清の言葉は単純なものだったが、純の耳には、それが深い温もりと慈愛に満ちたものとして響いたのだ。

だが、こみ上げる羞恥心に勝てず、彼女は正面から彼に答えることができない。

純は視線を逸らし、枕に顔を深くうずめて返事を避けた。

そんな女のいじらしい姿を見て、神原文清の胸中にも形容しがたい温かいものが込み上げる。彼は彼女の後頭部を優しく、しかし強引に押さえ、その唇に重い口づけを落とした。最初はわずかに抵抗を見せた純だったが、そこに込められた彼の優しさを感じ取り、次第にそのキスに応え始めた。

翌日、ピアノコンクールの幕...

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