第189章

世界各国から選手が集まっているため、言葉が通じない相手も中にはいたが、彼女は英語を使って対応していた。英語は事実上の世界共通語だからだ。

結果発表は当日に行われる。そのため、演奏を終えたコンテスタントたちは会場を離れることを許されず、全員が舞台裏で待機していた。

渕上純も、もちろんその一人だ。

彼女はスマホを取り出し、神原文清にメッセージを送った。だが、五、六分待っても既読すらつかない。

手持ち無沙汰になりかけたその時、ふと視線を上げると、バックステージの入り口に彼の姿を見つけた。心が弾み、思わず立ち上がって駆け寄ろうとした――が、それより早く、透き通るような白い肌を持つ長身のロシア...

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