第273章

出田竜也は茶碗を手にするや否や、その熱さに顔を歪めて歯軋りした。

「俺を殺す気か! 前も神原文清にこんな熱湯を出していたのか?」

出田竜也のそれが明らかな言いがかりであると見て取り、渕上純は湧き上がる怒りを必死に抑え込む。

「淹れたてのお茶ですわ。誰があなたのように、淹れたばかりの茶をすぐに呷りますの? 馬鹿じゃありませんこと?」

「クソッ! お前の目には神原文清しか映ってないのかよ。あいつのことばかり考えてやがる」

難癖をつけてくる出田竜也に対し、渕上純の腹の底で燻っていた怒りの火種が、ついに燃え上がった。これ以上は我慢ならない。

「出田竜也。これ以上騒ぎ立てるつもりなら、好き...

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