第280章

姫野雅人は口の端を歪めて苦笑した。

「別にそんなことは言ってないさ。ただ、俺の英語力向上における純ちゃんの貢献度が計り知れないってことを力説してただけだ。彼女の助けがなかったらIELTSのクリアなんて夢のまた夢だったし、海外の大学への合格なんて尚更ありえなかったからな」

その話題が出た途端、好々爺の顔色がさっと変わる。

「この馬鹿もんが、よくも抜け抜けと言えたもんだな? 儂はお前が留学するなんぞ最初から反対だったんだ。国内の大学入学共通テストを放り出してまで海外に行きおって……家に金が唸ってるからって調子に乗るんじゃないぞ」

男は茶目っ気たっぷりに片眉を上げた。

「爺ちゃん、まさか...

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