第288章

楓田麻衣は眉根を寄せた。彼女は決して単純で騙されやすい人間ではない。上流階級という伏魔殿で育った彼女の目は肥えており、その見識は一般人の比ではないのだ。ましてや相手が風見紬ともなれば、なおさら警戒心は強まる。

だからこそ、今の風見紬の言葉には説得力が欠けていると感じた。細部において辻褄が合わない点が多すぎるからだ。

「渕上純にそこまでの神通力があるとは到底思えないわ。第一、私たちが祖母への贈り物として絵を求めていたことを彼女は知らなかった。第二に、手洗いで会った時、彼女は私の正体を知らなかったはずよ。そして第三に……彼女がそういう人間だとは、私には思えないの」

楓田麻衣が冷静に分析して...

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