第293章

キャンドルライト・ディナーを終え、渕上純は満腹で膨れたお腹をさすりながら、心から満足げな息を吐いた。

やはり美味しい食事は人の気分を良くしてくれる。今、まさにそれを実感しているところだ。

神原文清は横に座ったまま、視線でリビングの中央に飾られたバラを示した。「あれは上等な赤バラだ。なんでも、この品種の花言葉は『熱愛』『情熱』『真実の愛』らしくてな。恋人や妻に贈るには最良の選択だと聞いた。俺は花には疎いから、お前の好みに合うかわからないが」

ざっと九百九十九本……。

その巨大な花束が意味するところを理解した瞬間、渕上純の胸が締め付けられ、心臓が早鐘を打ち始めた。

「すごく好きです。部...

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