第294章

彼女は悪戯っぽく微笑んだ。「私も、そう思ってました」

すかさず渕上純はスマホをセルフタイマーに設定すると、絶妙なアングルを探り当ててキャビネットの上にセットする。

そしてドレスの裾を摘まみ上げ、小走りで神原文清の元へ駆け寄ると、その懐へと滑り込んだ。美男美女の二人が揃ってレンズを見つめた瞬間、彼らの出会い以来初となるツーショットが切り取られた。

部屋に戻り、神原文清がシャワーを浴びている隙に、渕上純は写真に軽くフィルターをかけ、すぐさまSNSにアップした。

見れば見るほど、気に入った一枚だ。

送信してから数分も経たないうちに、SNSとLIMEの通知が爆発的に鳴り響いた。

「嘘でし...

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