第321章

「謙遜などではありません。今夜のことは、本当に感動いたしました。文清さんは私のためにあれほど心を砕いてくださり、あまつさえ風見紬さんやご実母様にまで厳しい言葉を……。嬉しさと同時に、恐縮するばかりです」

渕上純はあえてそう口にした。目的は一つ。神原文清と楓田麻衣――この母子の関係が、なぜこれほどまでに拗れてしまったのかを探り出すためだ。

神原の祖母の表情が、明らかに強張った。冷ややかな眼差しがわずかに伏せられ、眉間に皺が寄せられる。

だが、彼女はこの問いに答えるつもりはないらしい。

さらりと受け流すように言った。

「あの女のしたことは、到底許されるものではないからね。だが今日は誕生...

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