第336章

飲み始めてからしばらく経った頃、ようやく出田竜也が姿を現した。

彼への連絡は神原文清に声をかけるよりも前に行われていたのだが、集まった旧友たちは酒を飲むことに夢中で、この二人の間に横たわる複雑な因縁のことなど、すっかり頭から抜け落ちていたのだ。

出田竜也が店に足を踏み入れて初めて、一同は事態の不味さに気づいた。

菅田清が慌てて中村修の肘をつついた。

「おい、竜也は呼ぶなって言っただろうが。お前、連絡しなかったのか?」

中村修はしまったと言わんばかりに、自分の額をパシンと叩いた。

「忘れてた。さっきまでゲームに夢中だったから……」

その言葉に、菅田清は顔に縦線が入るような思いで絶...

ログインして続きを読む