第341章

昨晩の祝宴から戻って以来、神原文清とずっと険悪な雰囲気だったせいで、こんな重要なことをすっかり忘れていた。

現状、木村海和を守れる人間は神原文清しかいない。

そう思うと、渕上純は思わず額を押さえた。

どうやらまた、あの手この手で媚びを売り、神原文清のご機嫌を取らなければならないらしい。全ては木村海和を守るためだ。

彼女は電話口で告げた。

「木村教授、心配なさらないでください。今夜、旦那さんに話を通しておきます。必ず警護の人員を割くように頼みますから」

木村海和は短くため息をついた。

「いや、怖いというわけではないんです。ただ、これが何日続くのか……私自身は構いませんが、通勤時は...

ログインして続きを読む