第350章

出田竜也の顔は、薄暗く光を失っていた。まるで薄氷のような寒々とした陰りが落ち、その表情は悲哀に満ち、生きる気力さえ感じられない。

その時だった。階上から渕上純が姿を現す。すっぴんの彼女を目にした瞬間、その場にいた全員が息を呑んだ。化粧をした顔よりも素顔の方が美しい女など、一体どれほど存在するだろうか。

渕上純という女は、その身に幾つもの異なる魅力を宿しているようだ。今の彼女から漂うのは、清涼な風のような気配。純真無垢であり、見る者の心まで洗われるような透明感があった。

整った目鼻立ちに、飾り気のない肌。それは一点の曇りもない、真新しい白紙のように清らかだった。

純は自分に向けられる視...

ログインして続きを読む