第356章

「いい? そうかな。俺には、文清が渕上純に戯れに惑わされているだけに見えるけどな。男ってのは、新鮮さを求めるもんだろ。やつの心にあるのは、やっぱり風見紬だと思うぜ。何しろ、あの女に対しては底なしに甘かったからな」

 中村修は、からかうようにそう言った。

 神原文清の私生活について、中村瑞には口を挟む権利などない。ましてや、その私事を評価するなど以ての外だ。

 だから彼は、淡々とこう答えた。

「神原社長の件について、私がとやかく言うことはできません。すべては社長の個人的な事情ですから」

「中村瑞、なるほどな。だから文清もお前を長年そばに置いておくわけだ。お前は、言っちゃいけないことは...

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